不活性ガス消火設備の概要

ガスによる消火のため汚損が少なくクリーンに消火できるので、電気室や美術館、精密機械、電気通信機室等、消火剤による汚損が少なく、復旧を早急にすることが必要な施設に設置されるものです。
ボンベ内の自圧で消火薬剤が放出されます。保温処理が不要で薬剤の長期保存も可能です。電気絶縁性が高いので、電気施設の消火に最適です。

設置適応場所

ビル関係 : コンピュータルーム、通信機器室、美術品収納庫、倉庫、発・変電室、無人駐車場、クリーンルーム

危険物関係 : 印刷機、圧延機、オイルセラー、エンジンテスト場、危険物倉庫、粉体塗装室

不活性ガス消火設備の種類

不活性ガス消火設備には、固定式と移動式があります。

不活性ガス消火設備の種類

不活性ガス消火設備の動作フロー図

不活性ガス消火設備の動作フロー図

不活性ガス消火設備の系統図

不活性ガス消火設備の系統図の一例

不活性ガス消火設備の系統図

不活性ガス消火設備の構成は、消火剤貯蔵容器、起動用ガス容器、選択弁、配管、噴射ヘッド、操作箱、感知器、制御盤、音響警報装置及び蓄電池設備等から構成されています。

消火剤の種類

不活性ガス消火設備の消火剤は4種類あり、防護区画内に消火剤を放出し、酸素濃度を下げて消火する設備です。

名称 二酸化炭素 窒素 IG-541 IG-55
化学式 CO2
(CO2:100%)
N2
(N2:100%)
N2+Ar+CO2
(52%+40%+8%)
N2+Ar
(50%+50%)

※ 二酸化炭素消火設備の二酸化炭素は麻酔性があり、ある一定以上の濃度に達すると人命への危険を伴います。